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「生物多様性EXPO2010福岡」に参加して 10.02.28

1.はじめに
 生物多様性条約を締結している国には、「生物多様性国家戦略」をまとめ、ハーグで開催されたCOP6(2002年)で、『2010年までに「生物多様性の損失速度を顕著に減少させる」』ことを目標として定められました。この区切りである2010年、すなわち、今年を「国際生物多様性年」と位置づけています。
 それでは、「生物多様性」って何?と言われると、なかなか説明し難いものです。文献などを参考に紹介すると、「生物の多様性」とは、『すべての生物(陸上生態系、海洋その他の水界生態系、これらが複合した生態系その他生息又は生育の場のいかんを問わない。)の間の変異性をいうものとし、種内の多様性、種間の多様性及び生態系の多様性を含む。(生物多様性条約第2条抜粋)と定義されています。
ここに記されている3つの多様性の必要性に関しては、『種内の多様性(遺伝子の多様性)は環境適応や種の分化など生物進化のもとであり、低下すれば種の遺伝的劣化が進んで絶滅の危険性が高まる。一方、生態系の多様性は多様な種が棲み分けることでさまざまな自然条件に適応した結果であり、低下すれば環境変化などによる種の絶滅リスクが高まる。種間の多様性はこれら双方の基となり、生物多様性の要といえる(EICネット環境用語集)。』と説明されています。
といわれても、一体何が言いたいのか分かりづらいと言わざるを得ません。

2.条約や関連する文献を読んで
 更に、「なぜ生物は多様でなければならないの?」と問われると、これまた頭を悩ましてしまいます。1992年以来、生物多様性に関する数々の書籍が出版されていますが、「これを読めば分かります」という書籍にめぐり合っていません。
では、2007年に我が国がまとめた「第三次生物多様性国家戦略」を読めば理解できるかというと、これも本文のみで280Pにもあり、読み解くのは大変です。
多様性の必要性を説明する説には、以下のようなものがあります。

①リベット説:多くのリベットが力を分担して支え合っているが、もし、何本かが抜けたら長い間には亀裂が入る。種の絶滅を看過することは、飛行機が墜落するまでリベットを抜き続けることと同じという考え方。
②カナリヤ説:野生生物の種の絶滅を炭鉱のカナリヤの死になぞらえたもので、野生生物が絶滅するのはそれだけ人間の生活も悪化している。野生生物が生存できるような環境を保全することが結果的に人間にもいい環境をもたらすという考え方。
③尊厳説:長い進化の歴史を遂げてきた野生生物の種には、かけがえの無い価値と尊厳がある。人間中心の価値観からの反省から生まれた考え方。
④経済説:種の絶滅によって生じる経済的な得失に注目する考え方。絶滅したために派生する逸失利益、絶滅させないための経済的損失どちらが大きいかを考える。
⑤資源説:野生生物それぞれが固有の可能性を秘めている筈だが、今はそれが解明されていないという考え方。

3.それでは、今回の多様性イベントは
 今回のイベントでは、環境に取り組んでいる事業者「産」、環境省、福岡県、福岡市などの行政「官」、九大・福岡工業大学などの教育機関「学」が出展し、最新の環境技術や環境への取り組みなどを紹介していました。
 福岡支部では、都市部の環境を体感してもらおうと、大濠公園で探鳥会を実施しました。会場であるマリンメッセから貸し切りバスで大濠公園へ向かったため、時間の関係でボート乗り場周辺を探鳥地に選びました。そもそも、参加者は環境に興味を持っている方々であったため、充実した時間を過ごすことができました。
 他都市から来られた方からは、「都市の真ん中にこんなところがあるのは素晴らしい」「30種も確認できて驚きです」「安心して見られる良いところですね」などの声を聴くことができました。
 福岡支部では、このイベントの相談があたった時点から、「福岡で開催される生物多様性のイベントであり、地域にこだわるべきだ」との意見になりました。条約などでも、地域の独自性や重要性が唱えられていることから、これを基本とすべきであるとの考えです。
 ところが、会場で実施されていた数々のイベントは、共通性を重んじたのか「地域で開催されるイベントでは、その地域の方々に身近な事例で生物多様性を理解してもらう」という配慮に欠けていたと感じました。野鳥の会本部も会の活動の紹介とシマフクロウを頂点とする生態系を理解してもらう催しを行っていました。しかし、九州の人にとってこの鳥は想像すらできない野鳥です。希少種ではなく、もっと身近な野鳥を例にして生態系を理解してもらうことが重要であったような気がします。

4.今後の取り組みでは
 「Think Globally, Act Locally」(地球規模で考え、地域で活動する)、「Today Birds, Tomorrow men」(今日の鳥たちの環境は、未来の人間の環境)という考えを、もう一度肝に銘じて活動すべきであると感じました。
 福岡は144万人の人口を有する巨大都市です。しかし、大陸に近く、海抜0m~標高1000mという標高差を有し、環境が多様な町です。また、野鳥の会の設立(1934年)を遡る1921年に「福岡鳥の会」が設立された地です。これも環境が豊かだったからだと想像されます。
国際生物多様性年である2010年。鳥を通して福岡の自然を体感し、どんどん発信していきたいと思います。

□文責 T&O□

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