日本野鳥の会福岡 しぶろぐ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

津田堅之介さんエッセー「究極の昆虫観察法」 06.11.01

津田堅之介さんエッセー「究極の昆虫観察法」 06.11.01

近況メールにこのエッセーを添えて頂いていました。というよりこちらが本題なのかもしれませんがどちらも大変興味深く、勉強になると思い両方記事としてアップさせて頂きました。(津田さん、感謝です!)


「栗林自然科学写真研究所(以下栗研)研究員・大谷剛さん究極の昆虫観察法、一個体追跡法」

今回は、栗林・草野両先生と共に、現在のボクに絶大なる影響を与えた栗研スタッフ、昆虫学者大谷剛(おおたにたけし)さんをご紹介したいと思います。現在は、兵庫県立大学自然・科学研究所教授、兵庫県立人と自然の博物館主任研究員を兼務されています。

写真家として素晴らしい作品を生み出すには、もちろん本人の才能、撮影技術や他の人には無い感性が最重要ですが、無くてはならないのは、その仕事を支えてくれる協力者です。当時の栗林先生の活動をサポートしていたブレインが大谷さんでした。

大谷さんは、東京農業大学を卒業後北海道大学の大学院に進み、セイヨウミツバチの研究をやっていた方です。栗林先生がコハナバチの取材で北大へ行かれたときに、代々の若いミツバチ研究者が住んでいたことでハチ小屋と呼ばれていたミツバチ研究室の住民だったそうで、その取材をきっかけに栗研に移ってきたのです。

つづきもクリックしてぜひどうぞ!

大谷さんの、その独特の研究手法に一個体追跡法があります。一個体追跡法とは昆虫を種としてではなく、個体としてつまり分かりやすくいうと、ミツバチという種類はこういう習性を持っているという見方ではなく、ミツバチのこの個体はどういう行動をするのかというレベルでの観察方法なのです。「ファーブル昆虫記」のファーブルも、同じ手法で昆虫を観察していますね。

栗研の中にあった大谷さんの住まい兼研究室には、一家族のミツバチが、外へ自由に出入り出来るようにした、ガラス張りの水槽の中で飼育されていましたが、大谷さんは、この巣の毎日新しく生まれてくる30匹くらいの個体に、小さな背番号ゼッケンを貼り付け、総数2000匹の働きバチを毎日観察していました。そしてこの手法により、生まれてからの日齢によって彼らの働く内容は変化していること、そして実は働き蜂は思ったほど働いていないということが分かったのです。
061101tsuda_mitsubachi.jpg

大谷さんはミツバチ以外にも、ハンミョウやクワガタ、カブトムシ等、様々な昆虫の習性を一個体追跡法で研究していました。その中でも特に、ボクが大谷さんの凄まじい研究者根性に驚かされたものの一つはカブトムシの観察です。

カブトムシは、誰もが知っているもっとも身近な昆虫の王様ですね。ではあなたは、カブトムシの幼虫が卵からかえり、蛹になるまでに一体何粒の糞をするかご存知ですか?大谷さんはそれをやってみたのです。毎日毎日、糞を一粒残らず採集し重さを量って、全てを紙に並べて貼り付けたのです。結果は、その幼虫がした糞の総数はなんと9241個!、総重量は1キログラム以上だったそうです。ヘラクレスなんて、あの巨体で一体何粒糞をするんでしょうね?誰か挑戦してみてはいかが?

○大谷剛さん一個体追跡法の極めつけ、上陸後のホタルの幼虫の追跡・序章

しかし、さらに圧巻だったのは、佐世保の北隣に位置する佐々町の、ある公園でのゲンジボタルの幼虫の追跡調査でした。その驚くべき内容をご紹介する前に、まずホタルの習性についてお話ししましょう。

ほとんどの皆さんがゲンジボタルをご存知だと思いますが、どういう一生をおくるのかは意外と知られていないのではないでしょうか。その中でもこれは割と知られているようですが、幼虫は川底の細かな砂礫の中にいて、カワニナという巻貝を食べて育ちます。そして3月下旬の雨の日に、彼等は意を決して上陸し、最初に見つけたやわらかい地面にもぐり込み蛹になるのです。

ところが、昔は教科書に載っていたこともあるそうなのですが、草の茎に付いた小指の先ほどの白い泡の中にいる昆虫、アワフキムシが蛍の幼虫とよく混同されています。 

実は数年前、ある川の護岸工事に伴う地元の有識者会議を、見学させてもらう機会があったのですが、その日の議題は、蛍を守るための優しい護岸の工法の決定と、完成後の蛍を増やすための住民活動についてでした。しかし驚いたことに、蛍の生態に詳しいという地元有識者のリーダー格の方が力説していたのは、なんとアワフキムシのことだったのです。

さらに驚いたのは!!「後々管理が大変だから、なるべく草が生えないようなコンクリートで覆われた、護岸にしてもらわなければ困る!」との、ホタルの幼虫がもぐって蛹になる場所を無くし、保護とは全く逆行してしまう要望が出されたことでした。

その時は、護岸工事に携わっている会社の担当者から「今日は一切意見を言わずに、ただ聞いていて欲しい。後で感想とどうするべきかを言ってもらえば、工事にその意見を反映させるから」との条件で参加したため、黙って聞いていたのですが。正直言って有識者会議ってこんなものだったのかと、呆れ果ててしまうと同時に、「ボクらの知らないところで、大切な自然がこんな風に消滅させられているんだなあ」と悲しくなりましたね。

では次回は、そのホタルの保護活動の問題点について
ホタルのために良かれと思っていることが、実は種の存続を危うくしている!!

注)「次回」というのは津田さんのブログ等での連載を想定した表現で、「しぶろぐ」にも必ず次回掲載されるとは限りません。悪しからず。(管理人M)


津田堅之介生物生態写真研究所
 日本写真家協会(JPS)会員 日本哺乳類学会会員
  津 田 堅 之 介
 福岡県久留米市

« アサギマダラマーキングの続報 06.11.02|Top|津田さんの近況メール 06.11.1 »

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://wbsjfukuoka.blog39.fc2.com/tb.php/208-9853c1ba

Top

HOME

日本野鳥の会福岡(ブログ管理人)

運営:日本野鳥の会福岡(ブログ管理人)
しぶろぐへようこそ
当ブログ掲載の写真
および文章の
無断2次使用、転載を禁じます

お気軽にご参加下さい!
毎月6箇所で開催中!

第1日曜:今津
第1火曜:春日公園(10時)
第2土曜:大濠公園
第2日曜:和白海岸
第3日曜:天拝山
第4土曜:久末ダム

いずれも朝9時から12時(夏場は一部8時から11時)です。
参加費:会員100円、会員外300円
(中学生以下無料)

鳥を通して自然や季節を楽しもう!
探鳥マップ記事へ

記事は新しいものほどトップに掲載されています。↓から「最近の記事」「ジャンル」「検索」などの機能もご利用いただけます。どうぞお楽しみ下さい。
投稿も大歓迎です!
柳生会長からのメッセージもあります。


必ず↓カテゴリーからルールをご一読下さい。

08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30


-天気予報コム- -FC2-

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。